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『独学術』という本を読んだ

『独学術』という本を読んだ。お盆で帰省中、母親の買い物待ちで暇だったので立ち寄った本屋で買った。たまに本屋に寄ると普段は絶対に読まないような本と出会えておもしろい。

独学術 (ディスカヴァー携書)

独学術 (ディスカヴァー携書)

 

著者の白取春彦さんは結構有名な人らしい。僕は知らなかった。タイトルには独学術とあるが、独学のやり方を書いたハウツー本というよりは、著者の独学に対する姿勢や考え方が書かれた本だった。

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全体的に著者のわりとハードコアな考え方が現れた本だった。全部を鵜呑みにして実践するのはなかなか厳しいなぁと思いつつ、自分が本やメモアプリにしていたメモはこんな感じ。

  • 疑問から知識が始まる。
  • 情報と知識は違う。情報は一過性のもの。
  • 難解な本を読むコツ。本を遊ぶ。ランダムに読む。適当に、眺めるように読んで読む気になってからしっかり読む。
  • 傍線を引きながら読む。記憶に残す。傍線は本を読み返す時のダイジェストとなる。
  • 日本語ができなくては外国語も無理。
  • 単語と日本語の意味は一対一対応ではない。コアイメージを掴むこと。
  • 結論ではなく考え方を学ぶこと。
  • 調査の始め方。キーワードを書き出す。具体的に。「武士」のような広すぎる言葉ではなく、具体的な事柄、「武士の住居」「武士の結婚」という感じ。次に、キーワードや用語の把握、語源の調査をして、歴史環境・宗教環境・生活環境を理解し、資料を選別、研究が始まる。
  • フリーノートを持つ。フリーノートに色々書いておく。

傍線を引きながら読むというのは、中学生くらいの頃には実践していて、スピードが下がるだけだなぁと思いながら読んでいたのだけど、実際読んだ後にブログを書くってなったときには傍線があったほうが良いかもしれないな、と思った。

あとはなんだろう、全体を通してdisりの多い人だなぁと思った。一番印象に残ったdisりを引用しておく。第5章 考える技術・調べる技術の図書館についての項目だ。

財政破綻した夕張市は図書館を閉じるとしたが、そういう非人間的な感性だからこそ、くだらない遊園地をつくって市をだめにしたのである。役所をバラック小屋にしてさえも、図書館と病院と学校は充実させるのが人間的というものであろう。

独学術 - 白取春彦 

もう一つ読んでいて気になったのは、やたらと電子的なものとインターネットを否定すること。傍線を引きながら本を読むこと、辞書や他の本で調べていくこと、フリーノートを持つこと、この本に書かれる全てに関して著者は物理本や手書きの、いわゆる"アナログ"なやり方を推している。出版年が2012年だから、今ほどスマホだのタブレットだのが普及している時代ではなかったからかなと思いきや、僕が高専1年でiPhoneは5が出た頃だから、まったくないというわけではないだろう。少なくともクラスの殆どはスマホユーザだった。それから7年経ちスマホを持っていない方が珍しいという2019年において著者はどういう考え方をしているのか少し気になるところだ。

個人的には、この著者が示す方法と自分の持つPC・スマートフォン主体の生活をうまく織り交ぜて、自分なりの独学術をやっていきたいな、と思った。

 

こういう感じで、本を読んだら読みっぱなしというのをやめて、ブログ記事に残す試みをやってみている。今まであまりこういうことをしてこなかったので、普段書くような記事よりも上手く書けている気がしないが、本を読んで感想を書いてというインプット・アウトプットを繰り返すことで、マトモな文章を書けるようになってくるであろう。